トップ脳血流計測(fNIRS)

脳血流計測(fNIRS)

fNIRSとは

fNIRS(機能的近赤外線分光法)は脳の活動(脳機能)を計測する技術です。微弱な近赤外光を用いるために身体への負担が少なく、より日常に近い環境下での計測が可能なため、脳機能研究を支える有力な手法のひとつとして注目されています。世界初のfNIRS計測装置は1995年に日立製作所が開発・実用化し、「光トポグラフィ」として商標登録されました。2005年にその商標使用について一般公開し、現在ではfNIRS計測方法の概念を表す名称として世界中で用いられています。
NeUは、この日立グループのウェアラブル光トポグラフィ事業を承継しており、小型化・高機能化したfNIRS計測機器の開発・製造および研究機関向けの販売を行っております。また、これらfNIRS研究で培われたノウハウを活かし、脳機能計測を軸とした脳科学コンサルティングサービスを提供しています。

計測方法・原理

  • 脳活動計測装置HOT‐2000を頭皮に装着します。
  • 頭皮表面に置いた光源から​近赤外光(光波長約700~900 nm)が照射されます。
  • 照射された光は大脳皮質の​頭皮に近い部分を弧を描きつつ吸収・散乱しながら通過​します。
  • 近赤外光は人体の透過性が高く、かつ血液中のヘモグロビンに吸収されるという特性を持つため、
    脳活動が活発な部位はヘモグロビンが増加し、近赤外光の透過度は減衰します。
  • 光源から少し離れた頭皮上の検出器に到達し、脳血流の変化量が計測されます。

計測対象

頭蓋外から光を照射するだけで脳活動を計測できる非侵襲的手法のため、乳幼児から高齢者まで幅広い対象に対して安全な計測が実施可能です。

計測部位

HOT-2000は、大脳皮質の中での前頭前野、特に前額部の血流量変化を計測します。知覚、随意運動、思考、推理、記憶など脳の高次機能を司っている部位の計測が可能です。

メリット

  • 光源と検知器が頭皮に密着している限り体動の影響を受けにくいため、​比較的日常に近い状況での実験環境下での計測が可能
  • 光による計測のため、内部的・外部的な電気的ノイズに強い
  • 装置が小型軽量で、被験者の姿勢の自由度も高いため、ストレスをかけずに計測可能
  • その他の生体計測デバイスとの親和性が高く、視線や心拍など複数の生体指標の同時計測が可能​

デメリット

  • 自然光がノイズとなるため、強い日差しのある屋外での計測には不向き
  • 脳の深部領域の計測は不可能
  • 時間的解像度はEEG・MEGに劣り、空間的解像度はfMRIに劣る

測れる指標

感性評価・官能評価など、主観調査では分かりづらい以下のような項目の数値化・客観指標のための計測にお役立ていただけます。

・リラックス ・ストレス ・興味関心 ・記憶への残りやすさ
・好ましさ ・読みやすさ ・香りの効果 ・居心地 ・乗り心地

など、株式会社NeUでは、上記以外にも研究市場向けの多ch型fNIRS計測装置を用いた計測や、視線・心拍など複数の生体指標を組み合わせた同時計測なども実施可能です。
お客様の目的に合わせた実験デザインから環境構築・実験運営および取得データの解析までを一気通貫で提供しております。大手企業から受託実績も多数ございますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。