ニューロフィードバック脳トレの認知機能向上効果に関する研究結果を発表
株式会社NeU(東京都千代田区神田司町、代表取締役社長:長谷川 清、以下「NeU」)は、同社が開発し提供中のニューロフィードバック脳トレの認知機能向上効果に関する研究結果を、2024年9月27日~29日に開催された「第13回認知症予防学会学術集会」(神奈川県横浜市パシフィコ横浜ノースで開催)にて口頭発表しました。
【発表のポイント】
24カ月以上継続的にニューロフィードバック脳トレ(※)を実施した57名の認知機能改善効果を分析したところ、認知機能変化の評価指数は、12ヶ月経過時に平均46%、24か月経過時に平均59%向上したことを確認しました。また12ヶ月と24ヶ月経過時それぞれにおいて、実施頻度が高いほど評価指数が統計的有意に向上したことがわかりました(どちらもp<.01)。一方、年齢と評価指数変化の間にはどちらも有意な相関関係はなく、年齢によらず認知機能が向上したことがわかりました。
【研究の背景と目的】
年齢に関わらず、認知機能を維持・向上させるトレーニングの開発に多くの関心が寄せられています。NeUでは取締役CTO川島隆太博士を中心に、脳の活動状態を測りながら行うニューロフィードバック脳トレ(NFBT)を開発し提供を行っていますが、本研究において継続的にNFBTを実施した一般利用者の認知機能改善効果を定量的に検討しました。
【研究手法】
NFBTを24ヶ月以上継続的に実施した40代~90代の57名、平均年齢72.7歳 (標準偏差8.5)の一般利用を対象としました。NFBTはスマホを利用し、1回1分で実施できる3種類の課題(認知速度、作動記憶、注意課題)を、1日最大3回実施して頂きました。左前額部に近赤外分光装置を装着し、課題中の背外側前頭前野の脳血流量変化を計測しますが、脳活動状態を課題実施中のスマホの背景画面に表示しフィードバックを行っています。利用者には、課題中の脳血流が増加(背景の色が変化)するよう内的に努力するよう促しました。このトレーニングを1日5分~10分、週1日以上継続実施して頂きました。NFBTによる認知機能変化を測るため、毎月1回、NFBTの課題とは関連しない認知速度課題(四則計算、1回1分)を実施していただき、認知機能の評価指数として記録しました。評価指数は、NFBT開始前の課題成績を、開始後と開始前の成績の差分値で除した数値としました。評価指数を目的変数、実施頻度、被検者の年齢を従属変数として、12ヶ月と24ヶ月経過時のデータについてそれぞれ回帰分析を行い、効果の検討を行いました。
【主な研究結果】
認知機能変化の評価指数は、12ヶ月経過時に平均46%、24か月経過時に平均59%向上したことが確認できました。
また12ヶ月と24ヶ月経過時それぞれにおいて、実施頻度が高いほど評価指数が統計的に有意に向上しました(どちらもp<.01)。一方、年齢と評価指数変化の間にはどちらも有意な相関関係は見られなかったことから(p=.36, p=.42)、NFBTでは年齢によらず認知機能向上効果があると考えられます。
また、NFBTを3年間継続実施した利用者13名の認知機能変化の評価指標を分析した結果、認知機能は1年目に大きく向上した後、2、3年目も向上傾向が継続する様子が見られ、継続するほど認知機能が向上することが示唆されています。
注釈
※ニューロフィードバック脳トレは、脳トレ実施中の脳活動をセンサーでリアルタイムに計測しフィードバックすることで、より効果的なトレーニングを行うことができます。
参考文献
※Rui Nouchi, Haruka Nouchi, Jerome Dinet and Ryuta Kawashima. Cognitive Training with Neurofeedback Using NIRS Improved Cognitive Functions in Young Adults: Evidence from a Randomized Controlled Trial. Brain Science 2022, Volume 12(1), 5.
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
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発表内容とニューロフィードバック脳トレについてまとめた資料は▶こちら
■本件に関するお問い合わせ
株式会社NeU ブレインフィットネスビジネスユニット 担当:糸藤
E-mail info@neu-brains.com