研究用機器NIRSハードウェア&システム
販売終了HOT-1000携帯型脳活動計測装置
光で脳活動を簡便にモニタリング
・ 脳活動に関連する血流変化を近赤外光を用いモニタリングする装置です。
・ 日常に近い環境下で、被験者への負荷がほとんどない状態での計測を目指し、無線化・軽量化された装置です。また実験環境の簡略化を目指し、タブレットやスマートフォンでデータ収集可能としました。
・ 装置を複数用いることにより多人数間の相互作用を計測することもできます。
価格:500,000円(消費税別) *本体のみの価格です。
携帯型脳活動計測装置 HOT-1000は販売終了しております。
後継機種のHOT-2000をお求めください。
装置の特徴
ワイヤレス計測
電源は単4電池またはUSB結電。計測データの転送をBluetoothとすることで完全なワイヤレス化を実現しました。
被験者の行動を制限するケーブルがないので、実験デザインの自由度が向上します。
幅広い利用シーン
HOT-1000とスマホやタブレットがあれば、どこでも脳血流変化を計測することができます。
例えば、買い物中や車の運転中、屋外などでも簡単に計測することができます。
簡単装着
ワイヤレス化により簡単に装着することができます。前髪を上げてHOT-1000をおでこにあて、ゴムひもを後ろに回し、長さを調節するだけで装着は完了です。
一人でも簡単に装着できます。
※写真はプロトタイプ(白)です。
小型化・軽量化
計測対象の領域を前額部の2か所に絞り込むことで、装置の小型化を実現しました。計測位置は横方向にスライドさせることも可能です。また装置の軽量化により、長時間の計測であっても従来の装置よりも被験者への負荷が少なくなります。動きに対するアーティファクトの混入も軽量化により低減します。
計測例
記憶課題(Working memory)による脳活動変化
画像で表示されるパターンや文字を記憶し、約10秒後に記憶した情報と新たに呈示された情報を比較して答える、という課題を遂行中の脳活動の様子をHOT-2000で計測した1名の結果の例です。計測では記憶課題を15回繰り返しており、グラフはその平均結果です。記憶中に血流が増加する様子が見られます。
計測の原理
脳活動と血流変化
脳機能計測では被験者に対し実験タスク(負荷)を与え、実験タスクを処理しているときの脳活動の様子を観測します。そして計測結果に基づき、実験タスクと脳機能との関係を明らかにしようとします。脳活動の変化は脳の血行動態の変化を引き起こします。脳が賦活した領域付近では血流が増加します。
血流変化を光で観測
頭皮上から照射された光は拡散し、ほんの一部が検出器まで戻ってきます。このとき、光の拡散した領域にヘモグロビンが多く存在すると、光は多く吸収されます。HOT-1000では光の照射位置から約3cm離れた位置に検出器があります。光の経路にあたる脳の部位が賦活した場合、血流が増加し、光の吸収が増加、検出器まで戻る光の量は減少します。この検出光量の減衰率から脳の賦活を推定します。これがHOT-1000が脳活動計測する原理です。
参考文献
文献情報
- 1. BCI/BMI研究スターターキット
- “光による脳機能イメージング:光トポグラフィ” 佐藤大樹、牧 敦(株)日立製作所
認知科学、VOL. 12, NO. 3 (2005) - 2. ワーキングメモリ課題(HOT-1000)
- “空間性ワーキングメモリ課題による 2チャネル携帯型脳活動計測装置の評価”
沼田崇志,桂卓成,木口雅史,佐藤大樹(株式会社日立製作所 研究開発グループ)
第18回 日本ヒト脳機能マッピング学会発表(2016) - 3. 複数被験者の計測(プロトタイプ装置)
- “Interpersonal frontopolar neural synchronization in group communication: An exploration toward fNIRS hyperscanning of natural interactions.”
Nozawa T, Sasaki Y, Sakaki K, Yokoyama R, Kawashima R.
Neuroimage. Jun;133:484-97. (2016)
*本製品は医療機器ではありませんので、医療用に使用することは出来ません。
仕様
- チャンネル数
- 2(スライドによる位置調整可能)
- 光源
- LED
- 通信方式
- Bluetooth Low Energy
- 出力
- 脳活動指標、心拍数(計測アプリケーションサンプルは購入後にダウンロードできます。)
- 重さ
- 約125g
- 電源
- 単4型アルカリ電池2本(約1時間半稼働)またはUSB給電
- 対応OS
- Android OS*1
- 動作確認済みの
スマートデバイス - Freetel Priori3 LTE(Android 5.1)
COVIA FLEAZ Que(Android 6.0)
ZenFone 3 Laser (Android 6.0)
HUAWEI P10 lite (Android 7.0)
MediaPad T3 10 (Android 7.0) - 本体価格
- 500,000円(税別) *スマートデバイスは含まれません
- * 本製品の計測対象部位は前額部です。毛髪のある部位の計測はできません。
- * 本製品は医療機器ではありませんので、医療用に使用することは出来ません。
- * 研究開発用の製品です。商用利用の場合はご相談ください。
BCI/BMI
スターターキット
1. 計測原理について
HOT-1000から出力された信号を解析し、「Webmo*(モータ)」の動きに変換します。
HOT-1000で計測された脳活動変化や心拍数の信号が、HOT Measureアプリから約100ms毎に設定したIPアドレスに出力されます。提供されるPythonのサンプルコードでは、データをほぼリアルタイムに解析し、Webmoの動きへと変換しています。
Brain Computer/Machine Interface (BCI/BMI)研究をこれから始めようとお考えの研究者の方へ向けたスターターキットです。
(「Webmo」はWebmoホームページよりご購入いただけます。ご購入後、サンプルコードのダウンロードができます。HOT Measure(UDP対応版)はHOT-1000購入後にダウンロードできます。)
- * WebmoはCidre Interaction Design 株式会社の製品です。
Wi-Fi接続が可能で、IPを持つ、「IoTモータ」です。
Webmoに関するお問い合わせはCidre Interaction Design株式会社へお願いいたします。 - * HOT-1000の計測対象部位は前額部です。毛髪のある部位の計測はできません。
製品サポート
FAQ
購入に関して
- Q1この製品で何ができますか?
- 本製品は研究用に開発された携帯型脳活動計測装置です。日常生活に近い環境で、手軽に脳活動と深く関係するとされる脳血流の変化や脈拍数変化を計測できます。計測は、別途配布される計測用サンプルアプリを用いて行います。計測データ(時系列データ)はスマートフォン、タブレットなどのスマートデバイスに保存されます。ネットワーク環境(Wifi、LTEなど)に接続されている必要はありません。保存されたデータはPC上で解析してください(解析用のツールは付属しません)。
- Q2医療用途で使えますか?
- 本製品は研究・開発向け機器であり、医療機器ではありません。
- Q3価格について
- 現在は終売しております。後継機のHOT-2000をお求めください。
- Q4商品に含まれる内容は?
- ヘッドセット、取扱説明書、データ取得用のサンプルアプリ(Android OS用)
※いずれも専用ホームページよりダウンロードとなります。 - Q5HOT-1000以外に計測に必要な機材は?
- データ取得用のサンプルアプリをインストールしたスマートデバイスをご準備いただければ計測は可能です。
- Q6レンタルは行っておりますでしょうか?
- レンタルは行っておりません。販売のみとなります。
- Q7製品を見てみたい
- 弊社(東京都神田)にてご購入相談会を毎月実施予定です。
詳しくは弊社ホームページよりお問い合わせください。 - Q8実験方法やデータ解析に関するサポートはありますか?
- 別途有償にて専門的な知識を持つチームがご相談を承ります。
- Q9計測端末の回線契約は必要でしょうか?
- 回線契約は不要です。ヘッドセットと計測端末をBlutooth接続するだけで計測が可能です。
- Q10計測アプリが動作するOSを教えてください。
- 最新版のアプリはAndroid5.0、6.0での動作実績がございます。旧バージョンのアプリは、Android4.4で動作実績があります。
- Q11iphoneやipadは計測に使用可能でしょうか。
- Android版のみの対応となっております。
- Q12スマートデバイスの推奨機種を教えてください。
- 次の機種で動作確認済みです。
Covia FREAZ Que、Huawei P10 lite、Zen Fone 3 Laser、Huawei MediaPad T3 10 - Q13PCでの計測はできますか?
- 基本的にスマートデバイスで計測する仕様となっております。PC対応については別途準備中です。
また株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)で開発したPC用の計測ツールが公開されています。
http://www.geminoid.jp/misc/Hot1000/ - Q14本装置を使用した論文はございますか?
- ”A Non-parametric Approach to the Overall Estimate of Cognitive Load Using NIRS Time Series”,Keshmiri S, et al., Front Hum Neurosci. 2017 Feb 3;11:15.
などがございます。 - Q15見積書が欲しい
- メールで下記までご連絡ください。
service@neu-brains.com - Q16購入方法について
- ホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください。
技術面に関して
- Q1サンプリングの間隔を教えてください。
- 100 msecでデータを計測しております。
※Bluetooth通信を使用しているため、通信環境により計測したデータが正しく転送されない場合がございます。 - Q2計測チャンネル数は?
- 左右の2チャンネルです。計測位置は横方向にスライドさせることも可能です。
- Q3計測対象部位はどこですか?頭頂部などの毛髪部位の計測はできますか?
- 計測対象部位は前額部(髪の毛が生えていない部分)となります。頭頂部など毛髪のある部位での計測は対象外です。毛髪部位(側頭部)計測に対応している上位機種も販売しております。
- Q4計測結果のログは保存されますか?
- スマートデバイス内にCSVファイルで保存されます。保存したデータはPCなどに接続し、取り出すことができます。
- Q5計測結果の内容を教えてください。
- 記録した時刻、脳活動の値、脈拍数、体動フラグ、マーク等が出力されます。
- Q6ヘッドセットとスマートデバイスのBluetooth接続はどのように行いますか?
- 接続は計測用のサンプルアプリから行います。また、Android OSのバージョンによって接続の手順が異なります。
- Q7Bluetooth接続ができなくなった
- 以下の事項をご確認ください。
・ ヘッドセット・スマートデバイスの電源ON/OFF
・ ヘッドセットの電池残量の確認(電源供給に電池をご使用の場合)
・ ご使用場所の電波環境(Bluetoothや無線LANなどが相互に干渉する場合がございます。)
上記以外でご不明な点がございましたら、スマートデバイスの機種、Android OSのバージョンをお控えの上、お問い合わせください。 - Q8計測データの解釈について
- 別途有償にて専門的な知識を持つチームがご相談を承ります。
- Q9酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、トータルヘモグロビンの計測はできますか。
- トータルヘモグロビンのみ計測可能です。計測用の光源には1波長のLEDを用いています。
- Q10脳波計など同時計測が可能な機器はございますか?
- クレアクト社 Biosgnal pluxを用い。脳波、筋電と脳血流の同時計測の実績があります。
クレアクト社 Biosgnal plux製品ホームページ
https://www.creact.co.jp/item/measure/bio/biosignalsplux/bsplux-top - Q11BMI/BCIへ活用できますか?
- Ciedre社IoTモーターWebmoとのBMI/BCIスターターキットをご準備しております。
HOT-1000に関しましてはホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください。
HOT-1000以外のキットにつきましては、Ciedre社Webmo(http://webmo.io/)の「お問い合わせ」からご連絡ください。
デモ動画URL : https://youtu.be/T78soihGzUw - Q12複数台同時計測はできますでしょうか。
- HOT-1000とスマートデバイスを1セットとして、複数セットでの同時計測は可能です。
最大11台の同時計測の実績があります。
計測用サンプルアプリ(HOT Measure2)のダウンロード
リリースノート
HOT Measure 2.11|2018/08/27
・ 接続画面を更新しました。
・ 計測終了ボタン(Stop)を誤って押さないよう、Lockボタンを追加しました。
・ Bluetooth機器が見つからない場合がある不具合を修正しました。
・ ログファイルに体動フラグが出力されない場合がある不具合を修正しました。
・ ログファイルにマーカー情報が出力されない場合がある不具合を修正しました。
HOT Measure 2.0
・ Android5, 6に対応しました。
・ ヘッドセットとの接続の安定性が向上しました。
・ 計測中に手動で入力できるマークの種類が1種類から6種類に増えました。